第八話 汚職とか、賄賂とか。

四駆の車でアフリカ大陸を旅している、欧米人の子たち何人かにマラウイにいたとき会いました。

 

アフリカを車で旅していても強盗の危険も高く、ケニアでボランティアをしていたときにも、イタリア人関係者のかたが車を奪われてその後、遺体で見つかったって聞きました。

 

強盗だけでなく国境でのトラブルや偽警官がやってきて車停めさせて、脅して車ごと奪ったり、本物の警官ですらなにかにつけて違法にお金の要求をしているようでした。(特にモザンビーク)

 

宿が一緒だった定年記念にアフリカを車で旅しているドイツ人のご夫妻がいました。

 

「どうしてあんなに食べづらいのにお箸を使うのかしら。私いまだに上手に使えないのよ。私の周りでは日本食レストランにいってお箸を使うのがおしゃれではやっているの」って日本の料理のこともよく聞いてきました。

 

このご夫妻も山賊にあって、貴重品すべて持ってかれてしまって、パスポート再発行の手続きしていました。

 

絶対気をつけないといけないっていわれていることは、夜は車で走らないこと。

 

アフリカは大体の場所、日が落ちて、月が雲に隠れちゃうと本当に真っ暗やみになります。

 

道も陥没している場所、多いのでもちろん危険なのもありますが、真っ暗闇の中、人をひいてしまって、急いで車から出るともう亡くなっているようで、一緒に道にいた現地の子たちが、お金をたくさんくれれば黙っているからって。

 

アフリカの国で人を殺めてしまった場合、どうなるかなんて想像もできず、ほとんどの人は、持ってるすべての貴重品や、言われたものすべてを渡してその場を離れてしまうことが多いようです。

 

でも本当は、その現地の子たち、亡くなった遺体をわざと置いておいたり、車が来る直前に車の前に遺体放り投げたりして、お金を手に入れるためにしていることのようです。

 

やっぱり人を殺めてしまったと思ってしまった旅行者はずっと黙っていて、そこまで公にはなっていなかったようですが…。警察もぐるになっている場所もあるって聞きました。

 

私は海外の警察のイメージはモザンビークに来る前までだいぶよかったです。

 

バングラデッシュからトルコのイスタンブールにエアで飛んだとき、機内預かりの荷物の中から、荷物抜き取られちゃってて、早速カタール航空のカウンターに伝えるとカウンターのトルコ人の化粧ばっちりのおばちゃんにその荷物あなたが本当にもっていた証拠がないって言われて、盗難届け発行してくれなかった。

 

 

バックパックの中全部中身出た状態でコンベアベルト乗ってきてどうみても普通の状態じゃないってわかるのに…。

 

無理だろうなーって思いながら、空港の目の前の大きな警察署にいくとすぐにカタール空港のカウンターに電話してくれて届けも発行してくれた。

 

エチオピアでも夜、警察にデジカメの盗難届けもらいにいったら帰りは宿までパトカーで送ってくれた。

 

日本にいたときも道聞いたり、警察の人は親切なイメージが強かったけど、モザンビークの警察は、現地の子も口をそろえていうけど“お金がすき”。

中学生ぐらいの子達もみんな知っている。人を襲っている強盗の子達も、結局警察と仲がよくてお金、見逃し料として警察に払ってずっと捕まらずにいたり。もちろんしっかり働いている警察のかたもいると思いますが、警察の腐敗率はほかの国と比べてもだいぶだいぶ高いと思います。

 

 

何か問題があって警察にいってもお金をこっそり渡してそれでやっと動いてくれるのが現実のようです。

 

逆に悪いことした人が、お金の力で警察を味方につけているのが当たり前のことのようにあるようです。

 

警察以外でも国境を越える時、荷物検査で税関の人にバック全部空けらることがありますが、税関の人が荷物チェックするふりしながら荷物の中からなんか盗んだりもするって聞いたりもして、しっかり見ていないといけないです。

 

国境の人に意味無く賄賂を要求されたりするって聞いてはいましたが、この間本当にされてちょっと悲しかったです。

 

モザンビークでも今も多い、泥棒した人を見つけたらその場でその泥棒に火を、まわりにいた人たちがつけて焼き殺してしまいます。

 

警察に連れて行っても、警察友達だったりしてすぐ釈放されるだけだし、アフリカのある場所では、警察がきてくれない、連絡する電話がない小さな村では昔からの処置のひとつのようです。モザンビークの栄えている南部ですら、泥棒が路上でまわりにいた人たちに 焼き殺されることはだいぶ多いようです。

 

現地の人たち昼間でも道端で携帯電話は使えない町も多いと思います。携帯はとても高価だから持っていることがわかると強盗の標的になるし、サングラスとか、髪につけているゴムとかも人混みの路上のマーケットのまわりなんかではひったくられるから気をつけてって女の子たちも教えてくれました。

 

臓器売買がなかなか無くならないのも、警察や国境のスタッフの賄賂とか汚職がすごいからだと思います。

 

主に、路上の人たち、子供たちがいなくなって臓器売買のために人が連れ去られていって。数ヶ月前も、国境で物資運搬のおおきいローリーの後ろの蒸し暑いコンテナーに弱りきった人たちが10人以上乗っていて1週間以上、飲み物、食べ物を与えられず詰め込まれていて、そのローリーはタンザニアを目指していたようです。

 

お金のために腎臓を1つ自分から売る人が多いって貧しい国では聞いていましたがここでは、貧しい人たちに、他の国にいい仕事があるよっていって誘って、窓もなんもないコンテナーの中に閉じこめたまま、殺してたり、脱水症状や、餓死寸前で弱りきったところで、それから臓器を取り出すようです。(心臓、肝臓とか目)

 

路上の人がどんどんいなくなったのもこのせいだって聞きました。

 

このドライバーたちも警察に連れて行かれたけど、数日後に罰金50000MT(24万円ぐらい)を払ってあっさり釈放されたって聞きました。

 

しばらくお手伝いしているインド人の会社の人たち、モザンビークの地層かなんかを研究しているようで、よく奥地にはいっていきます。

 

そのときも、ブッシュの中で、四駆から降りて歩いてむかっていたら、近くの村の人たちが歩いていて、その村の人たちは、インドの人たちをみると同時に猛ダッシュでみんな散らばって逃げていってしまって、話聞いてみると、モザンビークの奥地の村や集落に、臓器売買の商人たちがやってきて、村人を拉致していくことがかなりあるようで、インド人のこたちをその人たちと勘違いしたから急いで逃げたって教えてくれました。

 

こういうことがあって家族を突然連れて行かれて、殺されて、荒地を何時間もかけて歩いて警察がある町にたどり着いて訴えてもこの国の警察が奥地の人たちのために動いてくれるなんて思えないし、

 

助けてくれる場所、頼れる機関がないって、想像もできないです。

 

イギリスの友達ジョンの会社(アメリカの政府の仕事でモザンビークで開発事業してる)の手伝いしてたときに、彼に、

 

「海外からたくさん寄付金とか援助きているのに、東南アフリカがなかなか変われないのはなんでだと思う?」

って聞かれた。

 

「いろんな理由があるけど、“ねこばば”する人がたくさんいるからだよ。 政府関係者でも組織関係者でも」って。

 

HIVのお薬、毎日飲めば、普通の人のように生活ができる可能性がだいぶ高いお薬、それもたくさん国に入ってきても、上の人から少しずつ、自分のため、家族のため、親戚のため、友達のためってみんながとっていってしまって、結局最後に、普通の病院に届く分は、とても少ない地域があったり。

 

ジョンが、

「この国で生きていくのはとても難しいよ。公平さ、人としての権利とか、悪いこともお金があれば正しいことになっちゃうよ」って。

 

国の仕組みとか全然わかりませんが、国の体制、少しずつ変わってきていくから大丈夫って横で教えてくれた現地のスタッフの言葉どおりだといいなと本当に思います。

 

2008年1月16日 原題「犯罪のこと」