第六話 売春をどう思いますか?
アフリカの女の子たちは、やっぱりとっても強くてたくましいと思います。
どんだけ悲しい思いをして、いろんなこと乗り越えているんだろうって思います。
アフリカを旅していて泊まる安宿は、ほぼ売春宿です。どんなに小さな町でもぼろぼろの売春宿はあって。
そこで働く女の子たち、私よりも全然若そうな子たちだらけです。
私は一生懸命お客さんたちと交渉している女の子たちをたくさん見かけながら、旅を続けてます。
夜中に悲鳴が聞こえたり、体を売ったお客さんにずっと貯めておいた売上金を持って逃げられちゃったり、親友だと思っていた子にお金全部盗られちゃったり。それでも毎晩、がんばっている子たち多くて。
生きていくため、家族を養っていくため、今日のごはんのため。
学校に行きたいから、学費や教科書代のためにがんばる子たち。病気にだってなりやすいから薬代だって必要になる。
私がもしアフリカに生まれていたら間違いなくそうしていると思う。収入が無い。お金が家に1円もない。売るものもない。食べるものもない。まだ小さな兄弟たちがいる。これがどういうことになるか。貧しい国にくるまで考えもしなかった。
アフリカにいても私はご飯を買うお金も宿に泊まるお金も旅をできるお金もまだあって。
せっかく旅しているんだから楽しんだほうがいいよ。ってよく言われます。同じように旅している子たちからも現地の子からも。売春をしている子達からも、これ食べるー?日本遠くて寂しくないですか?この国楽しめてますか?って、言葉かけてくれます。
アフリカに来る前、ボランティア、してみたいなっていう気持ちはあったけどアフリカで一人でいるなんて絶対ありえないし、病気も怖いし、どこも汚そうだし、南京虫にやられて肌汚くなるのやだし、すぐ襲われそうって思っていたのが本当のところで、
ずっと旅していて、あんまり色んな国のみんなが優しくていつかどっかで恩返ししたいって勝手に思って、アフリカのことを聞いたりしてアフリカに来ようって決めたときも3週間だけエチオピアでボランティアして、それから最長でも2ヶ月でアフリカは危険だから離れようって決めてました。
今はこうして、まだアフリカにいてボランティアをしたり、色々みさせてもらったり、現地の会社手伝ったり、現地の子たちともたくさん話しをして、いろんなことが少しずつ見えてきて、逆に、自分では気づいてなかった自分のこととかもわかってきて、何やっているんだろうって情けなくなって。
それでもやっぱりいつも思うことは自分と貧しい国に生まれた子達の違い。そんな風に思ってもきりがないのかもしれないけど、私がアフリカに生まれていて、私みたいな発展国からやってきたフラフラ適当に旅をしている子をみたら私はどう思うんだろう。
エチオピアでもほかの国でも自分の体を売ってでも一生懸命生きていこうとしたのに苦しんで苦しんで亡くなっていってしまった子たち。
病気でぼろぼろの体で自分で立つこともできなくて施設に運ばれてきた子。ぎりぎりまで体売ってったってきいて、こんな状態の体でどうしたらお仕事できるんだろうって。
結局なんだかんだいっても何にもわかっていないのは自分かもしれないなって。生きていくってどういうことなんだろうっていつも思います。
2007年11月26日 原題「アフリカの女の子たち」